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目
次 |
PART 4 目次
特別展
「極北の島グリーンランド」
01グリーンランドとは
中世温暖期の移住
03エスキモー文化
20イヌ橇
30氷海の狩猟
-アザラシ猟と捕鯨
40狩猟と漁労
50食べ物
60住居 70衣類
80玩具
90精神世界
エスキモー文化の近・現代
文化と観光
100今年度の寄付資料 |
PART 1 目次
テーマ「北方の衣料と暮らし」
01外観 入口展示 02北のクロスロード
環境に適応した人々
新大陸への移動
04海洋資源の利用と民族 考察
05言語・民族
語族
ハプログループ
人類拡散の北方ルートはなかった
10衣類を通してみる民族
11北方民族の衣料
13生活に適した衣料 考察
14皮なめし技術の発達
15腸製衣
17魚皮衣
19樹皮衣
21儀礼用衣装、イヌイットの衣料
23機織り道具・裁縫道具 30交易 -北太平洋における
西洋文明の流入- 40北方民族の食 50住居 60火と器
62火
64器
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PART 2 目次 テーマ「オホーツク文化と宗教」
資料 69オホーツク文化とは
狩猟交易の民ニヴフ
ニヴフ進出の経過
69北海道歴史年表と
各文化圏とヒトの形質 69オホーツク式土器の成立過程
展示 70オホーツク文化の人々
オホーツク文化の特徴
80オホーツク式土器の特徴
土器の特徴
90食料の獲得、漁労具
100大型住居
110信仰と儀礼-埋葬-
110牙製彫像の高度な工芸品
130ホーツク文化の土器
132オホーツク文化の謎
消えたオホーツク文化
132狩猟儀礼 -クマ無祭り-
北方の精神文化
135仮面
北方民族の祖先観
北西海岸インディアン
136冬の儀式
138日常生活と精神世界
139北方の音と儀礼・芸能 |
PART 3 目次
テーマ「北方の生業」
150北方の生業
151北方の生業
152海獣狩猟文化
153アザラシ狩猟
154捕鯨
155水鳥猟
156漁労文化
157様々な漁法
158陸獣狩猟
159トナカイ飼育文化
160移動具
162橇
164舟
170雪上歩行具
180子どもと遊び 181工芸 182玩具
300網走の観光名所 |
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01グリーンランドとは
中世温暖期など、各国から何度も開拓者が入植し、何度も絶滅している。現在も3つの地域に別れて、気候、言語、文化に違いがあるという。
世界最大の島グリーンランドの、大陸の内部は厚さ3000mを超える氷床に覆われています。その水量は世界の10%にあたります。
動植物が生育し、人が暮らすのは、周辺部の海岸地帯です。
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03エスキモー文化
エスキモー文化東端の地
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「エスキモー」はシベリア北東部、アラスカ西部、カナダ北部、グリーンランドを含む北アメリカ極北地帯に住む特定の先住民族を総称する用語です。
カナダエスキモーの自称にならって「イヌイト」と呼ぶこともありますが、ここでは、歴史的・文化的共通性を重視して「エスキモー」の名称を用います。 |
グリーンランドのカヤック
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カヤックはエスキモー文化に広く共通して用いられてきた伝統的な皮舟の一種で、夏に氷が解けた海でアザラシ類やクジラ類を獲る時に用いる道具です。
シベリアからグリーンランドにわたるエスキモー文化に於いて、土地毎の気候条件などによって、カヤックの形状は異なります。 |
グリーンランドの生き物
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グリーンランドの氷床を縁取る海岸地域には、低木や地衣類が成長するツンドラ地帯があり、カリブー、ジャコウウシ、オオカミ、ホッキョクギツネ、ホッキョクウサギなどが生息しています。鳥類では、オジロワシ、ライチョウ類が生息するほか、ウミガラスやカモメ類、ガン類、カモ類などの渡り鳥が飛来し、海辺で繁殖します。
沿岸の海には、5種類のアザラシ、セイウチ、大型鯨類、シロイルカ、イッカク、ホッキョクグマなどの海生哺乳類や、サメ類、タラ類、オヒョウ、ホッキョクイワナ、サケ類など、魚類が多種多様に生息しています。グリーンランドの人々の暮らしは、こうした海の生物資源の豊かさに支えられています。 |
イッカク
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一角鯨は、架空動物ユニコーンの伝説を生み出す元となった長い牙を持っています。角のように見える牙は、通常、雄に見られる特徴で、上あご左側の切歯が上唇を突き破り、前方に反時計回りで螺旋状に成長したものです。長さ2m以上にもなる牙は、繁殖期にオス同志の順位争いに用いられます。
北極海の冷水域に生息するイッカクは、オヒョウやタラ類などの魚類やイカ類、エビ類を餌とし、夏季に沿岸氷が解けた北アメリカ・ハドソン湾以東からグリーンランド西海岸北部沿岸に回遊します。
イッカクの肉や脂肪が食料となるほか、牙はかつてヨーロッパで解毒の効果があると信じられ珍重されました。日本にも江戸時代に薬としてもたらされました。 |
エスキモー文化東端シベリア北東部〜アラスカ西部〜カナダ北部グリーンランド居住 |
子ども用木製櫂エスキモー文化はカヤック。その木製櫂 |
グリーンランドの
カヤック皮舟カヤックは夏にアザラシ・鯨等の捕獲具。※1 |
大型皮船この大型皮舟の名称はわかりません
ウミアックかな |
カヤック |
生き物※2 |
イッカク (一角鯨)
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陸揚げされたイッカク |
イッカクの角←一角鯨の漁
↑一角鯨のツノ
上顎左側切歯が上唇を突き破って成長。稀に左右二本も有り |
カヤック大変細身である
海用はもすこし広い |
氷山に接触すれば破れて絶命もある危険 |
木枠にアザラシの皮を張り、海豹油のワックスを塗って保存・維持する |
カヤックの乗り方 |
カヤックからの狩猟 |
氷海を進むカヤック氷海を進むカヤック |
獲物を捕獲 |
エスキモーロール
転覆しても体をひねって起き上れる
防水力のある腸製パーカーが役に立つ。 |
腸製パーカー
防水性に優れた衣類 |
日よけ・目庇まびさし |
※1グリーンランドカヤックは危険な氷海に適合するように細身に造られている |
※2ジャコウ牛・狼・北極狐北極兎・
尾白鷲・雷鳥・海烏・鴎・雁・鴨
海豹・セイウチ・大型鯨・白海豚・一角鯨・北極熊鮫・鱈・オヒョウ・北極イワナ・鮭など |
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20イヌ橇
植村直己と冒険
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冒険家、植村直己(1941-1984)は、北部グリーンランド・シオラパルクで極地生活の技術を学び、グリーンランド式イヌ橇で北極圏での冒険を行いました。
1972年9月から9ヶ月間シオラパルクで局地技術を学び、1973年2〜4月にシオラパルクから宇部るなびく間往復3000kmを単独イヌ橇で走破しました。
1974年12月〜1976年5月、グリーンランドからアラスカまでの、北極圏12,000kmをイヌ橇で横断、1978年4月には北極圏到達、同年5〜8月には
グリーンランド縦断という世界的な記録を、全て単独イヌ橇で成し遂げました。 |
グリーンランドの犬橇
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イヌ橇は、狩猟や漁労に出かけるときや獲物を持ちかえる時など、陸上・氷上で用いられます。橇を引くイヌは、エスキモーの人達にとって財産でした。
カヤック同様、イヌ橇も、土地毎の気候条件などによって形状や使い方が異なります。グリーンランドの中でも地域差がありますが、材を紐だけで組み立てることと、イヌを扇状に繋ぐことはおおむね共通です。
紐で組み立てることは、氷雪上を走行する際の衝撃を吸収したり、長い旅で壊れた時に修理しやすいという利点があります。また、イヌを扇状に繋ぐと、広い面積に広がるので、数頭が氷の穴や裂け目に落ちても容易に引き上げることが出来ます。更に、イヌを繋ぎ易い、それぞれのイヌを制御しやすいなどの
利点もあります。
植村直己が使用したのは、北部グリーンランドの形式で、グリーンランドの犬橇の中でも最も大きく頑強で、多くの荷物を積載できるものでした。 |
植村直己使用テント・橇 |
植村直己と冒険 |
冒険家植村は最初にグリーンランドで犬橇技術・極地生活技術を学習し |
グリーンランド横断・北極点単独行を行った |
グリーンランドは氷原のため、犬は扇形に繋ぐ |
アラスカは森林帯のため、犬を縦長2列に繋ぐ |
扇形の方が平均に力がかかるので効率的 |
グリーンランドの犬橇橇は紐で組み立て衝撃 |
を吸収する。橇の滑走面には泥炭を塗って氷結させ、磨滅防止・滑走潤滑剤のワックスにする。 |
ブレーキと鞭 |
雪メガネ
亀ヶ岡式(大洞式)土器の土偶と同じ雪メガネが使われている |
犬橇用ハーネス |
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30氷海の狩猟
アザラシ猟と捕鯨
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エスキモーは最も高度な寒冷地適応をした人々です。その文化の基礎には、海の資源を獲得する狩猟技術と、それを生活に利用する知恵です。
特に内陸部を覆う氷床によって陸の資源が少ない生活では、アザラシ猟をはじめとする海の狩猟に大きく依存していました。 |
アザラシ猟の三種類
@夏に氷が解けて開けた海でカヤックで行う方法。
A春先に氷の上で日光浴をしているアザラシに、仮面や扮装をして接近し捕獲する方法。
B冬に凍った海の割れ目や穴の上で、呼吸に上がって来るアザラシを待ち伏せして捕獲する。(白クマがしていた方法を人間が真似た捕獲法)
捕鯨 カヤックや、大型の皮舟ウミアック(5〜10人乗り)でおこなった。
離頭銛の構造
銛先+中柄+柄の構造で全て綱で結ばれており、銛先は長いロープの先にアザラシの浮袋を付けて獲物を逃がさなかった。
考察
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フィリピン先住民のクジラ漁では鉄の銛を抱えてクジラの上に飛び降り、深く刺さるようにする。軽傷では逃げてしまうから。
北方民族はどうしたのだろう。石でも黒曜石でも、それほど切れるわけでもない。投げたくらいではかする程度。深く刺すためにはどのように刺したのだろう。 |
エスキモー文化は狩猟技術と活用術で、アザラシ猟に依拠。 |
夏の氷海のカヤック猟。春先の氷上猟。冬の息継ぎ穴猟。 |
綱の引手この三方法で年中最大の食糧源を捕獲。 |
中柄/銛柄の翼
(意味不明)(笑) |
氷海の狩猟
アザラシ猟と捕鯨 |
投槍器より遠くまで正確に投てき可能
飛距離と命中精度が高まる |
銛綱置きと銛綱
絡まると危険なため |
膀胱膜の浮き袋 |
離頭銛の構造 |
銛先・中柄・柄を繋ぎ
銛先に繋いだ銛綱の尻手に膀胱の浮き袋 |
銛を打たれた動物が潜っても浮き袋を追っていけば衰弱した獲物を苦も無く得られる |
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子供用銛、銛柄、
鳥用投げ矢
(投槍器付き) |
子供用銛に投槍器が付いている
鳥用投げ矢は群れの中に投げて一度に複数捕獲するため、柄の途中にも槍が付いている |
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40狩猟と漁労
アザラシ猟や捕鯨のほか、季節に応じて、鳥類狩猟、陸獣狩猟、漁労も行いました。
鳥類は、雁・鴨・海燕・雷鳥などを、投げ矢、たも、罠など、専用の道具が用いられました。
陸獣は、カリブー・ジャコウウシ・ホッキョクグマなどを獲ります。
漁労ではカペリン・タラ・オヒョウ・サメ・サケ・ホッキョクイワナなどを、ヤス・釣り・網漁などが行われました。
季節的な狩猟と漁労 |
底物の仕掛け。巨大です。オヒョウは
2m四方もの大物が多い |
氷上の穴釣り用など |
漁具魚叩き棒 釣った魚を締める |
道具箱 |
1銛先 2銛先 3銛の刃 4銛の刃 5銛先6銛の軸受け
7錐用口当て 8櫛 |
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皮なめし具1皮なめし具 2作業用ナイフ 3ナイフ 4狩猟用ナイフの鞘 |
ナイフ5ナイフ
6・7・8女性用ナイフ |
→
弓錐の弓
錐
弓錐 |
弓錐の弓と錐 |
生活の様子 |
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50食べ物
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伝統的な食事は、アザラシ類・クジラ類など、主食の海獣肉を、生や半解凍で食べ、ビタミン類を摂取しました。また、
石ランプの上に吊るした石鍋で煮た肉も食べ、肉汁も飲みました。ヨーロッパからお茶やコーヒーが入る前には、唯一のホットドリンクでした。
塊のままで調理した肉を大皿に盛り、家族めいめいがナイフで切って食べました。
海獣狩猟のほか、鳥や魚など、獲れる季節の決まっている食料資源は、干したり、発酵させたりして長期保存しました。
植物資源は限られていますが、秋にはツンドラに実るペリー類を集めました。 |
キビアク
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アザラシの首を切り中身を抜いた生皮に、渡り鳥のヒメウミスズメを捕えたものを中に詰め、入り口からハエが入らないように縫い合わせて発酵させたもの。
鳥や魚は干物や発酵食品にして保存した。 植物食はベリーの実などだった。 |
木製桶と象嵌の装飾
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グリーンランドエスキモーは、ノース人から持ち込まれた樽作りの技術を受け継いでいます。
セイウチの牙などを様々な形に彫って期にはめ込んだ象嵌は、投槍器などの狩猟用具にも見られます。 |
食事 |
アザラシ革製の袋 |
キビアクヒメウミスズメをアザラシの首を落とし剥いだ生皮に入れ縛って |
雑菌・寄生虫などを入れないようにして発酵させる |
中国に発生途中のアヒルの卵を美味とする食があるが同様に美味とされる |
木製桶と象嵌の装飾
バイキングの技術をエスキモーが学んで作った |
セイウチなどの牙を様々に加工した。投槍器にも象嵌 |
肉運搬用フォーク
と
匙 |
ひしゃく |
油入れ容器・石鍋・食器
木製の曲げ物 (曲げわっば) であることに驚き。高い木材加工技術があった。※1 |
木製鉢・木製桶 |
※1この木材を曲げる技術で大きな木製の箱などを作る。
参照「北海道立北方民族博物館」Part2[132冬の儀式]
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60エスキモーの伝統的住居
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春〜秋は |
移動式テントの生活。猟や漁労をしながら家族単位の移動生活。 |
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冬は、 |
半地下式の住居。石と芝土を素材に、内壁にアザラシ皮を張り、数家族が集まって暮らした。
アザラシの脂肪を石ランプで燃やして暖房、光源、調理に使った。室内は20℃にもなり、短パン半裸で過ごすことが出来ました。
(寒冷地適応者) |
住居 |
大きな住居 |
火起こし道具※ |
子供用石ランプと石ランプ調整具 |
※発火具
火きり臼に火きり杵を立て (凹み石で押さえ) 革ひもを巻きつけて交互に引き、火きり棒を回転させて火を起こした。
この方法はアマゾンでも行う。 |
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70衣類
※1民族衣装
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ハレの日に着る民族衣装(国民服)は、エスキモーの伝統的な衣服様式のほか、西洋的現代的な特徴も備えています。
女性用は、ビーズケープ付き上着、毛皮製の短パン、なめし皮製の白いブーツの組み合わせです。ビーズケープは20世紀初めに流行し各地に広まりました。
男性用は、布製のアノラックと黒ズボン、皮製ブーツです。伝統的な狩猟用衣服を受け継いで、現代的な素材に変わっています。 |
※2衣服
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グリーンランドエスキモーの伝統衣装はフード付きパーカ、ズボン、ブーツを基本とした、防寒性に優れた衣服でした。
素材はアザラシ皮ですが、カリブー、ホッキョクグマ、イヌ、鳥皮なども使用しました。
皮から仕立てるのは女性の仕事でした。ウル(三日月型ナイフ) や、皮なめし具を使い、動物の腱(けん)で作った糸で縫製しました。
装飾に、ビーズ・皮の縫い付け飾りが用いられました。ビーズは石・骨・歯などで作られてきましたが、ヨーロッパのガラスビーズが多用されるようになりました。 |
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72ハレの衣装
民族衣装※1 |
晴れ着の子供たち |
現代の婚礼 |
男性用衣服一式 |
女性用衣服一式 |
女児用衣服[一式] |
女児用衣服[一式]
背面 |
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74日常の衣服
衣服※2 |
男子用ズボン |
女性用ズボン |
女性用下着 |
女性用ズボン |
女性用パーカー 採取地 東部アナマッサリク |
パーカーの裾が股下でくくれる構造。 |
後ろ姿はアザラシそのものの感じです。ヒグマに襲われそうです。 |
伝統的な髪形 アンマッサリクの男女 |
赤=女性用ヘッドバンド 黒=男性用ヘッドバンド |
女性用長靴、男性用長靴 グリーンランド西部 |
女性用皮手袋 北部シオラパルク |
大人用皮手袋 北部シオラパルク 女性用バッグ |
女児用・女性用手首あて 西部マニーツオック |
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76道具
石ランプ台と石ランプ |
ランプ台 石ランプ |
アザラシ皮のなめしをする男性と、 手袋を作る女性 |
指貫 ベルト 糸 針入れ |
指ぬき |
腱製の糸と針入れ |
いずれも見事な工芸品ですね。 この皮なめしを女性が歯で行うため、歯が大変すり減っているという。縄文人も同じだと言われている。
しかし、私は、干し皮は硬く、寒冷地では無理だが、温暖地では平らな磨き石の上で、木槌で叩けば柔らかくなる。
縄文人の歯の摩耗は低温焼成の土器から溶け出す泥が食材に混ざったためで、、エジプト人の歯の摩耗と同じ理由だと思う。
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80玩具
遊びと玩具※1 |
アザラシの骨製玩具
おはじき・お手玉・すごろくなどに使用 |
棒を引き合うと、水鳥が交互に起き上ったり
ついばんだりする
東部アンマッサリク |
イッカクのけん玉 東部アンマッサリク |
男女の彫像・人形 東部アンマッサリク |
骨製彫刻イッカク
カナダ |
石製彫像 (石彫像) |
熊の彫像と、
骨製けんだま 東部アンマッサリク |
遊びと玩具※1
動物の像は狩猟ごっこ用
ミニチュア槍銛で腕を磨く
人形は玩具やお守り。
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顔・腕のない木製彫像はエスキモー文化に伝統的な古いタイプ。身代わり。
そういえば、縄文や北方民族の彫像には顔がないもの、顔が人物でない物がある。この理由だったようだ。 |
けん玉は大人子供共通の娯楽
鳥の玩具はヨーロッパの「ついばむ鳥」の玩具の模倣
お手玉、あや取りなど |
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90精神世界
※1太鼓
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アラスカ・カナダエスキモーの直径1mにもなる太鼓に対し、グリーンランドではうちわほどの大きさで、皮ではなく枠を叩いて演奏します。
シャマンが呪術や精霊との交信儀礼に用いたり、踊り、ドラムダンスの拍子具として娯楽や競技にも用います。
踊りは人の集まるところで代わる代わる行われ、誰が観客を最も満足させられるかを競います。 |
※2精神文化と今日の工芸 トゥピラク
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エスキモーの伝統文化、トゥピラクtupilakは、敵に呪詛するための呪術的な生き物でした。敵はトゥピラクを見ただけで死ぬと信じられていました。
トゥピラクが畏怖の対象から工芸に変わったのは19世紀で、デンマーク人のお土産となりました。 |
※3グリーンランドの先史文化
4600年前から人類史が始まり、エスキモーは1000年前にユーラシアからベーリング海峡を渡ってきたチューレ文化人である。
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4600〜3000BP
3000〜800BP
800〜400BP
500〜 |
インディペンデンス・サッカック文化
プレドーセット・ドーセット文化(ノース人=バイキング) チューレ文化
エスキモー文化 |
※4ノース人(バイキング)
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エスキモー以前の西暦800年 (1800年前)頃、バイキングの一集団である北欧のノース人がグリーンランド南西部に進出しました。
海賊赤毛のエイリークが、「緑の土地」と名付けて移民を募った西暦1000年頃から本格化します。南西部で牧羊などを中心としたノース文化が展開しました。
しかし、13〜14cに寒冷化し、15cにはグリーンランドのノース人は (行方不明) 絶滅しました。 |
※5キリスト教伝道と植民
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1721年当時のデンマーク・ノルウェー連合王国は、グリーンランドのノース人の子孫を確認することと、キリスト教伝道師のハンス・エゲデを派遣した。
伝道師はノース人の子孫を見つけることはできませんでしたが、チューレ文化を系使用する先住民エスキモーの人々にキリスト教を伝えました。
これが、実質的にグリーンランド植民の始まりとなりました。エゲデ以降、性書や賛美歌をエスキモー語に訳しデンマーク語を強要しませんでした。
他方、シャマニズムや呪術儀礼の慣習は禁止され、エスキモー文化の太鼓踊りの代わりに西洋音楽の合唱が盛んになりました。
1774年、グリーンランド交易所の開設により、アザラシ油や毛皮、鯨油がヨーロッパに持ちだされるようになる。逆に、銃、コーヒー、砂糖などが持ち込まれた。 |
太鼓※1太鼓はシャマンが呪術で精霊と交信する為、トランス状態になる道具 |
ドラムダンスの拍子具や娯楽や舞踊にも用いる |
トゥピラクグリーンランド・イヌイットの悪霊像のこと。もとは人を呪い殺すためにシャマンが操る悪霊 |
精神文化と今日の工芸
※2
敵を倒す呪具だった |
木製仮面 しかし、19cのデンマーク人の観光土産としてこれらを像として |
彫るようになった。
これが悪霊像トゥピラク像です |
トゥピラク像 |
木製仮面 |
グリーンランドの先史文化※3
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ノース人の住居と教会
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ノース人(バイキング)※4
ノース人は中世温暖期の西暦800年頃牧畜で入植15世紀に寒冷化で絶滅 |
キリスト教伝道と植民※5
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伝道者の像 |
エスキモー文化※6 |
鯨油精製所と大釜 |
グリーンランド南部の牧羊 |
グリーンランド自治政府前 |
首都ヌークの景観 |
氷床の中にGREENLAND
は自虐的に見えるポスター |
グリーンランドの
文化と観光※7 |
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※3
4600〜3000BPインディペンデンス・サッカック文化
3000〜800BPプレドーセット・ドーセット文化(ノース人=バイキング)
800〜400BPチューレ文化
500〜エスキモー文化 |
エスキモーの祖先は千年前にベーリング海峡周辺から東進してきたチューレ文化人である |
※518世紀1721年ノース人の子孫探索のため伝道師を派遣。子孫の絶滅を確認し、エスキモーに伝道を開始し、植民の始まりとなる。
デンマーク語強要と呪術の禁止。特産物の交易と、銃コーヒー砂糖などの持ち込み。生活の西洋化。 |
※6エスキモー文化の近・現代
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生活のデンマーク化によって廃れた狩猟道具や技術もあり。20世紀の漁業の商業化により、狩猟から漁業中心の生活になった。
グリーンランド経済は、漁業と水産加工業が中心です。南西部では、牧羊や農業も増えています。 |
※7文化と観光
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温暖化による氷河・氷床の減少により、北極航路や地下資源などの産業開発や、氷河観光などで経済を確立しデンマークからの独立を目指す。
間もなく、寒冷期に入る地球では、中世温暖期の開拓と、絶滅を想起する発言です。
氷海・氷山・氷河クルージング、カヤッキング、犬ぞり体験などを観光の目玉にしているそうです。 |
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100今年度の寄付資料
木製彫刻 ナーナイ
沿海州 |
白樺樹皮製ベリー採集容器 ニブフ サハリン |
毛長マンモス模型
ヤクーツク北方民族歴史文化博物館 |
マンモスの牙 |
長さ151cm重さ12.1kg |
毛長マンモスの臼歯 |
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