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縄文を旅する3 北の縄文 北東北〜南北海道旅 28-1  2013.10.12(土)

  北海道立北方民族博物館 PART1  北海道網走市字潮見309-1 0152-45-3888月休 9:30〜16:30

   PART1 PART2  PART3 PART4

交通 網走市内観光地循環バス。1時間に1本。最も便利です。
      1dayパスはJR網走駅観光案内所 網走バスターミナル
       
見所 日本最大の北方民族資料館です。
       
特集 北方の言語・民族 語族とハプログループ
 

女性用防寒具


次 

PART 1 目次
    テーマ「北方の衣料と暮らし」

01外観 入口展示
02北のクロスロード
   環境に適応した人々
   新大陸への移動

 04海洋資源の利用と民族
考察
05言語・民族
 語族
 ハプログループ    
人類拡散の北方ルートはなかった

10衣類を通してみる民族
11北方民族の衣料
13生活に適した衣料
考察
14皮なめし技術の発達
15腸製衣
17魚皮衣
19樹皮衣
21儀礼用衣装、イヌイットの衣料
23機織り道具・裁縫道具
 30交易 -北太平洋における
       西洋文明の流入-
40北方民族の食
50住居
60火と器
62火
64器 


PART 2 目次 
テーマ「オホーツク文化と
 北方の宗教」


70オホーツク文化人
80オホーツク式土器
 貼付文土器
90食料の獲得 漁労具
100大型住居
110信仰と儀礼
130土器
131オホーツク文化の謎
132クマ送り

135仮面
136冬の儀式
138北方の精神世界
139楽器


PART 3 目次
 テーマ「北方の生業」

150北方の生業
151北方の生業
152海獣狩猟文化
153アザラシ狩猟
154捕鯨
155水鳥猟
156漁労文化
157様々な漁法
158陸獣狩猟
159トナカイ飼育文化

160移動具
162橇
164舟
170雪上歩行具

180子どもと遊び
181工芸
182玩具
300網走の観光名所
 

PART 4 目次
特別展
 「極北の島グリーンランド」

01グリーンランドとは
   中世温暖期の移住
03エスキモー文化

20イヌ橇
30氷海の狩猟 
  -アザラシ猟と捕鯨
40狩猟と漁労
50食べ物
60住居
70衣類
80玩具
90精神世界
 エスキモー文化の近・現代
   文化と観光
100今年度の寄付資料

 PART 1  テーマ「北方の衣料と暮らし」


 01外観 入口展示   北のファンタジー
                 ―時間と空間を超えてきた資料が 北の文化を話しはじめる―

シャマンのマスク
日本の北方民族研究は1980年代に開始された、蓄積の浅い学問です。 時間と空間を超えてきた資料が 北の文化を話しはじめる 北極圏

 02北のクロスロード

 環境に適応した人々
  人類はアフリカに起源を持つ。低緯度の熱帯地域から、長い時間をかけて北半球の高緯度、極北の地にまで生活の領域を広げたのは、1万年前のこと。
  人類が北方へ進出するためには、寒冷地域の厳しい自然条件を克服する必要があった。

  北方の環境の中で安定した生活を可能にしてきたのは、人間の生理的な適応ではなく、住居や衣類をはじめ生活に必要な道具などを生み出し利用
  する、文化的な適応による所が大きい。

 新大陸への移動
  人類は氷期など、繰り返される気候変動を経て来た。2万数千年前から始まった最終氷期には、ペーリング海峡が陸化し新旧両大陸が陸続きとなった。
  大型陸獣を狩猟するユーラシアの人々は、この陸地・ベーリンジアを渡って、新大陸の民族の祖先となった。

  ベーリンジアが再び水没した後、北太平洋をとりまく北太平洋沿岸地域に豊かな海洋資源に依存した文化が形成されてきた。

想定される人類拡散経路大陸移動説のヴェーゲナーが着想した人類拡散経路をGreat Journyと言う。
百年以上前の無根拠の与太話を絶対とし、それ以外は認めない学会の姿勢は現実と齟齬している。
北方民族博物館へようこそ@南米の2万年前の遺跡A南米先住民の、寒冷地経由では存在し得ない寄生虫感染。は無視され
アフリカ・南太平洋から直接南米への可能性は
無視されている。
環境に適応した人々衣類の工夫で北方進出
した北方民族
新大陸への移動 北方諸地域の古地理
2万〜1.4万年前
極地方
新大陸への移動
2万〜1.4万年前
列島周辺

ベリンジアの出現による人類の北米への移動。

しかし、その先は氷河に
閉ざされていた。
海面上昇によって水没した地域
現在より-38m
1.4万〜1.3万年前
現在より-30m
1.2万年前
現在より-20m
1万年前
 ベーリング海峡では
米ソ冷戦前までは
 先住民は舟で自由に行き来していました。
 両側に同じ民族の親戚同士がいる。
 海面上昇によりベーリンジアにあったほとんどの遺跡が水没した。

  04海洋資源の利用と自然・民族・言語
    北方へ進出した初期の人類は、大型陸獣を狩猟していたと考えられるが、その後、極北、亜極北地域の沿岸部では、海洋資源の利用が開始され、
    しだいに海獣狩猟も盛んにおこなわれるようになった。

    このような海洋資源利用の高まりは、陸の資源は乏しい代りに海洋資源は豊かである北方地域の生物資源のあり方を反映している。
海洋資源の利用と自然・民族・言語陸獣を狩って北方へ進出した人類は、資源の減少とともに海獣狩猟をも行い始めた 自然環境極北の寒冷気候 民族ハプログループN・C1の民族 言語ウラル語族
アルタイ語族
道具細石核・細石刃
アラスカ・ヘケタ島
7800-7200年前
骨製人形
アラスカ・ホットスプリングス
3500-2500年前
骨製銛

骨偶は旧石器時代3万年前から多く作られている。
釣針/回転式離頭銛/ホットスプリングス/セントローレンス島/3500-2500年前/紀元1世紀〜19世紀 バイカル湖やアムール川で舟を発達させ海洋に進出。 カヌー/北西海岸インディアン/ハイダ族
オープンデッキの舟の総称
カヤック (海獣皮製)
イヌイット/グリーンランド
獣脂を塗らないと乾燥して破れてしまう
クローズドデッキの舟
ウミアック/イヌイット
大型オープンデッキの舟
流木とアザラシ皮製
 

 考察  以下引用はWikipedia

 05言語・民族 たくさんの部族語が並べられている。しかし、言語系統は ウラル語族 と アルタイ語族


 ウラル語族は、ウラル山脈地域の言語でフン族の大移動によってスカンジナビアにももたらされた。ハプログループNの民族。(引用ハプログループN)

   櫛目文土器を使う民族で
      朝鮮半島からバルト海まで広がる。日本でも見つかるので列島に来ていたこともうかがえる。
      日本の九州では曽畑式土器、東北北部では円筒土器を使う民族です。

   極東ではユカギール語族が近縁ではないかといわれる。そのハプログループはC2,N,Qがほぼ同比。引用ユカギール
   これは、ユカギール族はウラル語族とアルタイ語族とハプログループQの対等混血であった。(下のハプログループQ参照)


 アルタイ語族 中央アジアを中心に、極東〜西は東ヨーロッパまで広がる言語族。 ハプログループC2の民族。
      支語に
      テュルク諸語(アルタイ語、トルコ語、ウズベク語、カザフ語など)
      モンゴル諸語(モンゴル語、オイラート語、ブリヤート語など)
      ツングース諸語(エヴェンキ語、満州語など)

      テュルク系はコーカソイド (白人) で、黒い髪をしている。(白人なのに黒髪) これは原初のアルタイ人の形質を残しているものです。
      モンゴル・ツングース系は寒冷地適応して体型が変化している。この中に日本語・朝鮮語も入るが、日本では確定しないという。(笑)
      どう逆立ちしても、日本人は朝鮮人だよ。遺伝学
 05言語・民族
ウラル語とユカギール語の分布 アルタイ語族の分布 ユカギール語族の分布 北方民族は
 シベリアではアルタイ語族とユカギール語族
 西シベリアからスカンジナビアではウラル語族です。

ユカギール語族は ウラル語の大変古い方言が保存されていた。
アイヌ語も古い東南アジア系言語か
  
 考察  以下引用はWikipedia

 ハプログループ

 
 ハプログループN
   2.5万〜2万年前に東アジア東南アジアのどこかでハプログループNOから分岐し、ユーラシア北部、さらにはシベリアを横断して
   北欧まで分布を広げた。観察頻度はネネツ人97%、 ガナサン人92%、ヤクート人88%、 フィン人63%、チュクチ人58%

   など、北方民族の多くがこのタイプ。北部朝鮮の遼河文明の遺跡人骨からはN1が60%以上で、かつては東アジア北部においても
   支配的であったと想定される。

   青森県にはNが特に多く、青森の縄文遺跡は彼らNが作ったと考えられている。現在の朝鮮半島の民族と同じである。


 ハプログループQ
   イラン付近で1.7―2.2万年前に発生した。その後カスピ海からウラル山脈を通り、シぺリアを抜けアメリカ大陸に渡り、
   南北アメリカインディアンとなり大繁栄した。


 ハプログループC2
   約32,600年(±14,100年)前に中央アジアまたはシベリアで発生したアルタイ語族。北西インドから北ルートを通ったグループ


 ハプログループC1a1
    日本列島で誕生した列島固有のハプログループで、誕生は約11,650年前または約41,900年前(拡散は10,000年前)と推定される。

ハプログループQの拡散
イランで発生した民族が寒冷地適応してモンゴリアンとなり、
シベリア〜南北アメリカまで拡散した
東アジアのY遺伝子ハプログループの分布 ハプログループNの分布
2.5万〜2万年前に東アジアから東南アジア付近で誕生し、ユーラシア北部・シベリアから北欧まで分布した北方民族である。 

この時期は
後期旧石器時代U期にあたり、ナイフ形石器など、先進的な石器の登場時期である。

彼らが、最寒冷期のシベリアを知恵で乗り切った集団のようである。


 考察  以下引用はWikipedia

 母系ハプログループ


 ハプログループM7a
   石垣島で発見された白保竿根田原洞穴人のハプログループである。2.5万年前にスンダランドで誕生し舟で列島に到達した。

   沖縄、白保竿根田原洞窟で発見された人骨のハプログループ分析結果、5体から検査に成功した。

     3体は約2万年前と約4000年前の人骨で、M7aとされる日本固有のハプログループが特定されています。

     1体は約2万年前の人骨で、ハプログループはB4でした。Bは中国南部か東南アジアで5万年ほど前に誕生したと考えられています。
     もう1体は、ハプログループRでした。これも、東南アジアや中国南部など南方地域に起源をもつとみられています。

     白保竿根田原洞穴遺跡を利用した旧石器人は、中国南部や東南アジアの集団との関連がうかがえるのです。

   引用高橋佳大のコーヒータイム
   参考縄文人 論証の中で母系と父系のハプログループ名が混在すると訳が分からないよ。小竹貝塚人骨の母系ハプログループ



  05言語・民族
ハプログループQの拡散
イランで発生した民族が寒冷地適応してモンゴリアンとなり、
シベリア〜南北アメリカまで拡散した
東アジアのY遺伝子ハプログループの分布 ハプログループNの分布

  記述2017.03.28

  人類拡散の北方ルートはなかった 
  試論:DNA-日本人の起源とモンゴロイド 2009年初稿 最新の研究成果

    論文によると、インド大陸北部を通ってシベリアに達したという仮説は、当時、ユーラシア大陸北部は氷河に覆われて北方ルートは塞がれていた。
    従って、インド大陸南岸を通ってスンダランドに達した人類が、北上し、中国大陸を通ってバイカル湖に到達し、北方民族となったと言っている。

    これは、大変重要な研究論文です

 




 10衣類を通してみる民族の広がり
    伝統文化が急速に失われつつある中で、衣類はその民族のアイデンティティを示す役割を持ち、現在も機会あるごとに着用されている。
    人々は限られた動物・植物資源の性質を生かし、現代の衣類に勝るとも劣らないものを作ることによって、北方の寒さに適応してきた。

    体の形に合わせた作りは、布を体にじかに巻きつける温暖な地域の方式とはかなり違った趣を感じさせる。

  装飾 - 色・形・文様
    また、その色や形、文様には、衣類を美しく見せるという効果のみならず、動物への敬意や、魔除け、着る人の性別や身分なども示している。
    自然素材そのままの美しさを利用したことは言うまでもなく、捕獲した獲物の一部を狩猟者の誇りとして身につけることもあった。

    交易で入手した貝、金属製品、玉、ビーズの類も吉兆なものとして装飾に用いられた。

 11北方民族の衣料
   生活に適した衣類 毛皮の利用
    人間が寒冷地で生きるためには、動物の毛皮を実に付ける必要があった。防寒着として最もよく用いられたのは、軽くて暖かいトナカイ (カリブー)
     の毛皮だった。
    また、夏季や雨季の衣服、靴の底などには防水性が高く丈夫なアザラシ皮を用いるなど、毛皮はその性質によって使い分けられていた。

   重ね着
    北に暮らす人々は、厳寒期にも大抵は毛皮服2枚で過ごしている。 中の服は毛が体側に、外側の服は毛を表にして重ね着されている。
    衣服の間の空気の層は外の喚起を遮断し、体温を閉じ込める役目を果たしている。暑くなった時には、首周りや袖口を弛め、温度調節できる。

衣を通してみる民族の広がりインド北西部から極北へは衣類を寒冷地適応に発達させながら進出した。この技術の獲得によってのみ北進は可能となった。 弾薬入れ/バッグ/頭飾り/帽子/前掛/頭巾
ヘラジカ革製靴
モカシン
櫛/口唇具/耳飾り 櫛/イヌイト/北西アラスカ
人類と深い繋がりのノミシラミ駆除用の
スキ櫛がある。
ラブレット 口唇具
イヌイト/アラスカ/シシュマレフ
:現在も行われる奇習
櫛/北海道アイヌ
トリンギット/北米
牙製耳飾り/イヌイト
玉飾り/北海道アイヌ
腕輪/耳飾り/サハリンアイヌ/沿海州産
耳あて
トナカイ皮製バッグ
頭飾り/白樺樹皮製帽子/子供用前掛け

よだれかけはこの頃からあったのか
弾薬入れ/ベルト/前掛/小物入れ

洗濯できない皮革衣料品は汚れないことが大切だったのか
手袋/サミ/ノルウェー
女性用つなぎ/コリャーク

男性用帽子

 13生活に適した衣料  
  -毛皮の利用- 軽くて暖かいトナカイ (カリブー) 皮製   夏季・雨季、靴底には防水性の高いアザラシ皮  などを使い分ける
  -重ね着- 暖かい毛皮は二着で厳寒期も十分だそうだ。

毛皮の利用
グリーンランドイヌイトの冬の衣装

コート/チュクチ/ロシア
ブーツ/チュクチ
コート/イヌイト
ブーツ/イヌイト 雪払い具/イヌイト/コリャーク
手袋/帽子/ウイルタ
女性用パーカ/ズボン
コート/ブーツ
手袋/帽子

男性用衣装/サミ

花嫁衣裳/ナーナイ

男性用衣装/北海道アイヌ

 染色材料 美しく染めぬかれた衣類があるが、どんな植物材料で染色したのだろう。イラクサ科植物の根が一般的だが。



考察 


  皮なめし技術の発達

   皮革衣料を作るためには皮を、毛のついたままor毛をなくしたりと、都合よく生産しなければならない。
   薬品でなめす現代と違い、近代まで、糞尿に付け込んだりしていたが、やがて脳漿を使うようになった。 しかし、その実態はよくわからない。

   腸・魚皮も なめし と 乾燥 をし、ち密な縫製技術が必要である。


 15腸製衣
  水上での猟や船旅の際に、着用される防水性に富んだこの衣服は、主にアザラシの腸から作られる。チュクチ、アリュート、イヌイトなど、
  北太平洋から北極海沿岸で海獣狩猟を行う民族に多くみられ、腸の縫い目は水の浸入を防ぐように厳重な縫い合わせになっている。

腸製衣/腸製パーカ/
魚皮衣
腸製衣料は
防水性に富み舟猟・舟旅の必需品。
腸製バッグ/アリュート

腸製パーカ/魚皮衣
魚皮製靴

 17魚皮衣
   鮭・コイチョウザメなど大型魚の皮を何十枚も繋ぎ合わせた衣類。アムール川、オビ川、サハリン、北海道、西南アラスカに多くみられれる。
   なめされた魚皮は布のようにしなやかで丈夫なうえ、防水性に富み、帽子、靴、カバンなどにも用いられた。

魚皮衣防水性の良い素材 魚皮衣
魚皮製上着/スカート/
ウリチ

ひげ根帽子/北西海岸インディアン
魚皮製靴 魚皮製バッグ/ナーナイ

 19樹皮衣
   高緯度にありながら比較的温暖で、樹木の多い北アメリカ北西海岸では、木の内皮を裂いて織った衣服が用いられた。
   素材はヒノキ科の針葉樹が多く、ケープや巻きスカートのような単純な形をしている。

   また、アイヌにはオヒョウなどの木の内皮やイラクサなどの草から織ったアツシと呼ばれる服があった。

樹皮製ケープ/ヌートカ
アトウシ/北海道アイヌ
草製靴下/イヌイト
草製脚絆/北海道アイヌ
  靴の中には干し草を入れていたのだが、
やがてそれを靴下に編むようになったのか
  樹皮衣は大変防水性がよく、明治以降の日本では漁師たちに大変人気だった。

  21儀礼用衣装、イヌイットの衣料

北西海岸インディアン
儀礼用衣装
儀礼用衣装/北西海岸インディアン
北西海岸インディアン
儀礼用衣装織物であること。南米インディオとよく似た形
カリブー・イヌイト女性用衣装
女性用衣装/
カリブー飼育イヌイト
カリブー・イヌイト女性用衣装大きなフードは子供を背負って着るため。 グリーンランド・イヌイト
女性用衣装
女性用衣装
グリーンランドイヌイト
グリーンランド・イヌイト
女性用衣装晴れ着はビーズのケープ
白いブーツは未婚女性

  23機織り道具・裁縫道具
紡錘車、
(おさ)、箆(へら)
北海道アイヌ
箆(へら)
()
北海道アイヌ
皮なめし用の棒と板
サミ/フィンランド
棒はスクレイパーです
オヒョウ
エゾイラクサ布/アイヌ
ゲートル、紡錘車/
フィンランド
各種スクレイパーは脂肪を掻き取るための道具 スクレイパー×7  スクレイパー
 ウル(女性用ナイフ)
ゆでた肉塊を切りながら食べるための道具
靴、砧
(叩いて皮を柔らかくする)
裁縫道具
指貫ホルダー/指貫入れ
イヌイト/ウイルタ
針入れ
 コリャーク/イヌイト
針刺し(針山) トナカイの腱(裁縫糸)  資料収集の頃には全て鉄針に変わっていた。

 カヤックや衣類の防水防寒効果を高めるため、
縫製は緻密でなければならない。

それを骨針でやっていた素晴らしい技術だった。
 堅固な皮革には先に錐で穴をあけ、それから骨針で動物の腱の糸を通したはず。
 石錐が見当たらない。




 31交易 -北太平洋における西洋文明の流入-

 交易
  18cから19cにかけて、中国や西欧におけるテン、キツネ、ラッコ、ビーバーなどの毛皮需要の高まりから、シベリアや北アメリカの各地で毛皮交易と
  毛皮獣狩猟が盛んになった。交易品として食料や嗜好品、布、金属製品などと共に、狩猟効率を上げるための銃やワナなどが入るとともに、
  新たな宗教や病気などの影響も受けた。その結果、この地域の動物資源が乱獲され、文化と社会に大きな変革がもたらされ、先住民社会が崩壊した。

 ハドソン湾会社
  1670年イギリス国王の特許を受け、北アメリカの広大な土地の所有権をはじめとする様々な権益を得て、毛皮交易をおこなってきた。
  この歴史上最大の土地所有組織は、カナダ政府にその権益を譲渡した後も、北米における毛皮交易の中心として存続してきた。

  毛皮を通じて北方の先住民と強い結びつきを持ってきたハドソン湾会社は、1987年これらの窓口となっていた小売店を売却し、300年に渡る毛皮交易の
  歴史に終止符を打った。

 先住民間の交易
  北方地域における交易は、隣接する民族間でも行われていた。例えば、北東シベリアのチュクチやコリャークでは、海獣狩猟集団と、内陸トナカイ
  飼育集団の間で互いに得た肉や脂肪、毛皮などを交換していた。先住民間の交易を通じてかなり古い時代から鉄製品なども知られていた。

  北海道アイヌも、かつては日本と中国の二つの市場を相手に毛皮をはじめとする陸海の産物を盛んに交易してきたが、江戸期に和人の支配が強まる
  中で、しだいに生業や交易の自由を奪われていくこととなった。

 北方にもたらされた煙草
  アメリカ産煙草は、コロンブスの到達以後、スペインやポルトガル、イギリスなどのヨーロッパ諸国にもたらされた。その後、煙草は陸路や交易船で、
  ユーラシア大陸に広く伝えられ、極北の民族にももたらされた。

  日本でも17世紀の初め頃には喫煙やタバコの栽培が普及していた。北海道アイヌにも交易によって煙草とキセルがもたらされ、煙草は本州から
  供給された。



北太平洋における
西洋文明の流入ロシア・ハドソン湾会社・アメリカ捕鯨船交易地図
ロシアの交易
→クロテン・キツネ
→ラッコ・海獣・狐・ビー  バー・大山猫・テン
←タバコ・茶・ビーズ・銃  ・鉄製品・薬缶・針・布
 ・小麦粉
アメリカの捕鯨船交易
→クジラの脂肪・ひげ・
 セイウチの木場
←酒・銃・鉄製ナイフ・斧・
 磁器・針・タバコ・布・
 小麦

ハドソン湾会社
→ビーバー・狐・大山猫・ 狼・コヨーテ
←銅板・毛皮・タバコ・
 ビーズ・銃・ナイフ・斧
ハドソン湾会社の交易所こんなに沢山の先住民の集落があったんだ。
全て、白人に奪われた
交易/ハドソン湾会社 交易 18c-19cの中国・西欧の毛皮需要の為、動物を乱獲し病気ゃ宗教を持ち込み侵略していった
 ハドソン湾会社
白人が勝手に土地を奪った歴史である。
先住民間の交易/煙草

先住民間の交易
 先住民は交易で新しい 文化を得ていた。
タバコ
 西洋人の悪習が伝播

コーヒーミル/サミ/フィンランド
銃ケース/
アサバスカ・インディアン/
北アメリカ
コーヒーバッグ/やかん クロテン毛皮/煙草入れ
煙草入れ/パイプ/
煙草袋/喫煙具鞄
火薬フラスコ/木製パイプ/キセル/煙草入れ 先住民を、
 タバコ・コーヒー・酒など嗜好品で釣り
 銃を与えてより多くの毛皮を獲得しようとした白人たち。



 40北方民族の食
  北に暮らす人々の食料資源は豊かである。しかし、季節的な変動があり、安定したものではない。このような環境の中で暮らす人々は、食料獲得技術を
  高度に発達させ、手に入れた食料を有効に利用する知恵と技術を身につけて生きて来た。

  長い冬に備えて大量の食料を蓄えることは重要なことであった。保存食を作る必要から、乾燥、燻製、発酵などの技術が発達した。

北の食糧資源は豊かである。それを獲得する技術をと有効利用する知恵を身に着け生きた。
保存食のため乾燥・燻製・発酵の技術が発達した
銅鍋/サミ
石鍋/イヌイト
台所用具 柄杓/杓子/匙 匙/杓文字/杓子/柄杓 スプーン
ベリーすくい/カップ
ソープベリースプーン
こね鉢とすりこぎ
北海道アイヌ
こね鉢とすりこぎ
ウイルタ
角製スプーン/バター作り桶とかき混ぜ棒/チーズ型/乳鉢と乳棒 クッキングボックス/
トリンギット
蒸し曲げ木箱
皿/カップ/木皿
コリャーク/イヌイト
木皿/北海道アイヌ 牙製骨髄取り出し具/
カナダ/イヌイト
油入れ/鉢
油脂は極めて重要な食品。海獣・鯨類の脂肪を食べたり調味料にもした
油入れ(腸製)/脂肪入れ

 50北方民族の住居

  多くの北方民族は、生業活動に従って季節移動をし、複数の住居を使い分けて生活している。住居タイプは大別して三種類。

  一つは冬季狩猟のベースキャンプとなる定住的な家。
  二つめは、移動しながら狩猟漁労を行う人々や、トナカイ飼育の人々が用いてきたテント。
  三つめは、北太平洋沿岸漁労民などの、高床式倉庫や魚干柵が付随した木造住居である。

 イヌイトの竪穴住居
  この竪穴住居は、アラスカ最北端のポイント・バロー〜ポイント・ホープにかけての海岸地域で、主に海獣狩猟によって生活してきたイヌイトの伝統的
  な冬の住居をほぼ原寸大で復元したものです。向かって左側が地下通路(トンネル)で、4.7m、右側が地上にある主室(生活するところ)で、

  面積8.6u(約5畳)とし、5名ほどが暮らせる住居として造りました。実際の住居では、通路が5m〜9m、主室面積が4u〜13uと様々で、大きな住居
  では、10名程度が暮らすことができたそうです。

  屋根には流木やクジラの骨を用い、保温や防風のため、その上に土をかぶせてあります。

北方民族の住居 テント×2 高床式 
固定式住居×2
竪穴住居 テント
木造住居 イグルー
イヌイトの竪穴住居イヌイトの冬の住居 竪穴住居構造図

5m-9mもの長い地下通路と土壁で寒気を防ぎ暖気を逃がさない工夫がされている。材料は流木や鯨の肩甲骨など長年の蓄積によって作られた
冬の住居/土を断熱材に腸皮を明り取りに イヌイトの竪穴住居
冷気を遮断する地下通路などの工夫
入口/貯蔵室/通路/
台所の天井は鯨の肩甲骨
アザラシの腸の天窓/寝台/主室/出入り穴/石ランプ ※"永久凍土を掘り"とあるが、コンクリートよりも硬い氷を過去の知恵と力でどうやって掘ったのか。

夏に溶けた永久凍土なら掘れるが家には出来ない。水浸しだから。


  60火と器     

 62
  グリーンランド・イヌイトの冬用の石造り住居では、ときに数家族が一緒に生活する。一家族に一つの石ランプがあり、妻は炎を一晩中絶やさない
  ように注意を払う役目だった。アイヌのチセ(家)では炉は特に位の高い神が座る場所であり、この神が暮らしを守ってくれると信じられている。

  火は、人々の環境への適応と生存能力を高めた。それと共に火は家族のきずなを確認し、強め、守る象徴でもあった。

寒冷地では火は命をつなぐ大切なものであり、炉は神の座る場所である。 石ランプ/石ランプ調整具 炉かぎ 炉かぎ 炉かぎ/灰ならし/炉かぎ/火ばさみ 火きり板/火起こしの口受け/火起こし弓

  64
  北に暮らす人々は、木を素材にした器を様々な目的で使用した。北米北西海岸のインディアンは木の根で編んだバスケットを調理や食物の貯蔵に
  用いる。
  また、蒸気で板を曲げて作る箱は、食物の貯蔵の他、儀礼の際の贈物としても用いられる。

  アイヌのチセでは、交易で得た漆塗りの行器や鉢などが、家の東北の隅に置かれ、宝物として扱われる。

北西海岸インディアン木の根のバスケット

行器=宝物
蒸し曲げ木箱/食物入れ/贈答品 シーダー樹皮製かご/セイリッシュ/北西海岸 かご/イヌイト かご/北米インディアン/イヌイト
筒/ナーナイ
かご/ウリチ
筒/ナーナイ
酒杯/北海道アイヌ
箱/ウリチ/白樺樹皮製整理箱/ウイルタ
片口/北海道アイヌ かご/トリンギット 木製桶 蒸し曲かご/手桶/シーダー樹皮かご/かご 行器(ほかい)は食べ物を入れる器。室の東北隅が定位置。

 PART 2 目次
 70オホーツク文化人
  80オホーツク式土器 貼付文土器
  90食料の獲得 漁労具
  100大型住居
  110信仰と儀礼
  130土器
  131オホーツク文化の謎
  132クマ送り
 135仮面
 136冬の儀式
 138北方の精神世界
 139楽器

 PART 3 目次
150北方の生業
 151北方の生業
 152海獣狩猟文化
 153アザラシ狩猟
 154捕鯨
 155水鳥猟
 156漁労文化
 157様々な漁法
 158陸獣狩猟
 159トナカイ飼育文化
160移動具
 162橇
 164舟
 170雪上歩行具 かんじき スノーシューズ
180子どもと遊び
181工芸
182玩具
300網走の観光名所