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 縄文を旅する1  中部地方13   2013.05.24(金)

  井戸尻考古館   長野県諏訪郡富士見町境7053


    周辺の縄文中期遺跡(5千年〜4千年前)、八ヶ岳南山麓特有の装飾土器を展示する。
    有孔鍔付土器、吊手土器、装飾土器、水煙渦巻文土器など

     博物館設立目的 八ケ岳山麓を舞台に生活した縄文時代文化を復元して、現代生活の向上に資することを目的とした施設で ある。


   ●土器の展示に特化した博物館です。 本当に縄文人の造形能力の高さには感心させられます。
    どれもこれもよく見えて、選びきれずに沢山提示してしまいました。すみません。
   
   ●八ヶ岳南山麓の縄文文化について
    縄文前期の初頭、6、7千年前縄文海進(温暖化による海面上昇)により住む土地を失った縄文人が、
    関東東海から沢山押し寄せ、やがて定住して独自な縄文文化を築きました。


    ※この博物館も超有名です。沢山の人が訪れます。ただ、この日遅い時間で、見学者は私だけでした。

    お詫び この頁には二回出ている写真が何枚かあります。間違いです。修正するユトリガなくこのままで願います





01井戸尻考古館
08有孔鍔付土器
09蛇や蛙
10みづち文・蛙文

11藤内32号住居址の土器
 -霊送りされた土器群-
12双眼深鉢

13いろいろな装飾土器
16水煙渦巻文土器
18吊手土器

19特別企画展 藤内遺跡出土品展
 
 
 01井戸尻考古館

外観 井戸尻遺跡 展示館
展示方針一室内に年代別遺跡別に三段でぎっしり展示 井戸尻遺跡について  うんざりするほどたくさんの展示物です
有孔土器これらが酒甕か太鼓かの主張の違いは、 有孔鍔付浅鉢この孔と鍔の利用方法がわからないためです 弓の出土模型この難しい弓で獲物を射止められるのは超名人
盛り付け皿 可塑性素材の喜び

 粘土細工に縄文女性は創造する喜びを見つけ、その持てる能力を存分に発揮し、楽しんだようです。
爆発的に多様化する形状とデザインと装飾。ホモサピエンスの能力全開
 実用性はないが、神話的な約束事に基づく超細密で、大胆で変化に富んだ装飾や形状。
 左の盛り付け皿は実に現代的。
 縄文時代にはすでに人類の陶芸は完成していたのかもしれない。
 
 08有孔鍔付土器 

酒甕説は井戸尻考古館館長の説です写真の実物が展示されていました。撮影忘却 有孔鍔付樽耳や台の意味が分からない。壊れやすい取っ手が壊れてない。 台付土器は、テーブルがなかったためです。
台がないとふつーにゴミが入ります
台付鉢 月牙文浅鉢月とか何とか、の解釈は井戸尻考古館館長の特有の持論です。
 
 09蛇や蛙
    余談ですが蛇と蛙を関連のあるモチーフとするのは、諏訪大社が蛇と蛙を神話のモチーフとするのに重なる。

蛇の文様
半人半蛙文桶形鉢 蛙文大深鉢 蛙文・みづち文大深鉢
蛙文有孔鍔付樽 蛙文有孔鍔付壺 陰文深鉢こんなスケベな模様で煮炊きしていたんですね 蛙文有孔鍔付壺 蛙文有孔鍔付壺 みづち文深鉢
 
 10みづち文・蛙文
   みづちは蛟と書き、水に住むヘビのことだそうです

陰文深鉢 みづち文深鉢 黄河上流域の彩陶壺の
半人半蛙壺
みづち文深鉢 蛇文深鉢
蛇文深鉢 蛇頭半人半蛙交会文深鉢
蛇頭半人半蛙交会文深鉢
神像筒形土器 双眼筒形土器 双眼を戴く深鉢 双眼深鉢
 

 11藤内32号住居址の土器  -霊送りされた土器群-

縦帯区画文とは 縦帯区画文土器 区画文筒形土器 みづちとは 蛇と月 みづち文深鉢の展開
霊送りされた土器
蛙文深鉢 楕円区画文深鉢 四方に目を持つ大鉢
 
  12双眼深鉢

双眼深鉢 十字文筒形土器 双眼の眼を持つ蛙文系深鉢 眉形文大深鉢 菱形蛙文系大深鉢 乳房状口縁大深鉢 菱形蛙文大深鉢 蛙文系蒸器
撚糸文浅鉢 右:蛙文蛇文蒸し器
マグカップかなぁ 神像文系深鉢 鑿(のみ)縄文建築には木組が行われていたことを裏付ける証拠
 
  13いろいろな装飾土器

両目を戴く深鉢 新月(赤ん坊の両腕)に抱かれた古い月(蛙の円い胴) 両眼を戴く深鉢 菱形蛙文深鉢 三日月形の腕の表された深鉢 新月(赤ん坊の両腕)に抱かれた古い月(蛙の円い胴)
新月(赤ん坊の両腕)に抱かれた古い月(蛙の円い胴) 四ち文揚底甕 有孔鍔付樽 菱形蛙文揚底鉢 四方神面文深鉢
蒸器
蒸器形深鉢 有孔鍔付樽 香炉形土器 四方眉月文深鉢
方形浅鉢 四方眉月文深鉢 殷周の青銅器に似た土器 雷文大深鉢
内円外方形浅鉢
 
  16水煙渦巻文土器

方形素文口縁深鉢 渦巻文深鉢 方形素文口縁深鉢 髑髏を象った香炉形土器どくろかたどった
水煙渦巻文深鉢 水煙渦巻文深鉢 人面文椀 重弧文深鉢 重弧文深鉢
素文口縁大深鉢 両耳壺 両耳壺
 
  18吊手土器

両耳甕 吊手土器 埋甕土器棺になった深鉢 注口土器
注口土器 注口土器 蛇文方神深鉢 蛇文方神深鉢 四方神面文深鉢 四方神面文深鉢  伏甕
違いは何でしたか。
ちょっと忘れてしまいました。
 



 
  19特別企画展 藤内遺跡出土品展



藤内遺跡
 

  井戸尻の素晴らしい土器を楽しんでいただけましたでしょうか。
  こんな土器を眺めていると、ペットのように、名前を付けたり、意味を考えたり、してしまうだろうし、
  説明を求められると、何らかの解釈をせざるを得なくなるでしょう。

  ですから、この館の名物館長が独自の解釈をされるのももっともだし、縄文人の心に没入しようとされるのもいいのではないかと思います。


  博物館・美術館に行けば誰しも説明がほしくなるものです。先日、遠くに住む息子と久しぶりに美術館に行き、
  しんと静まり返った中で、 二人の持てる雑学知識を出し合いながら小声で解釈や説明をしていました。
  はっと気が付くと、何人もの人が、そのひそひそ話を聞きながらついてきているのに驚きました。

  以前、沖縄の織物の展覧会でも同じことがありました。
  黙ってみていても面白くない。レシーバーの説明はマニアックすぎるのですね。
  親子の話のほうがおもしろかったようです。