奄美群島は鹿児島県佐多岬と沖縄本島のほぼ中間に位置する島嶼で、かつてはシナ陸塊の東の辺縁に当たりました。琉球海盆の沈降によって弧状列島の一部となり、その後西側に火山性の列島が出現(硫黄島・口之島など)しましたが、火山性の島ではありません。
奄美群島は北のトカラ列島と併せて薩南諸島と呼ばれ、行政区は鹿児島県に属しますが、文化的には琉球文化圏に属しています。
奄美大島と徳之島は沈降しつつある島で、島の周囲に大きな珊瑚礁の発達はあまりみられませんが、
喜界島・沖永良部島・与論島は隆起珊瑚礁の島で、全く対照的な景観をなしています。
奄美大島は北部の笠利町付近を除いては大変急峻な山が連なり、海抜600mが直接海に落ち込んでいるといっても過言ではありません。(屋久島を小さくした感じですね)険しい山容と、猛毒のハブに守られて手つかずの原生林が至る所に残っています。
しかし、あまりにも急峻な斜面と、地層に含まれる岩石の自然風化によって地層が滑りやすくなり、重力による、つまり、山体の自然崩壊が至るところで起きており、自然保護の困難さが指摘されています。
地図で見ると小さく見える島も、西表島の約3倍の面積で、高さは2.5倍程度。平地の少ない島です。
急峻な山岳地形のため農業地域が少なく、しばらく前までは大島紬の生産が、そしてそれ以前は、螺鈿細工に使う夜光貝の採取と販売が主たる産業で、さらにそれ以前の縄文時代には夜光貝を加工して腕輪を作り、重要な交易品として日本各地の遺跡から出土しているようです。 |