古代の鉄器 鉄(元素記号Fe 比重7.76 融点1,530°沸点約3,200℃)は、 隕鉄のほか?赤鉄鉱などの鉱石あるいは砂鉄として地球上に 広く、かつ多量に存在するといわれています。  人間が鉄を利用するようになったのは、紀元前3,000年頃 を境とし、最初アナトリアやエジプトで隕鉄を利用したもの が作られ、その後西アジアを中心に鉄鉱石を利用して本格的 に鉄器が作られるようになりました。また、中国では紀元前 7世紀頃、鋳鉄の農耕具が作られるようになったといわれて います。  日本では、紀元前3世紀頃稲と共に鉄がもたらされたと言 われています。弥生時代中期になると鉄器の分布は広範囲に わたり、後期になると利器の大半が鉄器になったと考えられ ています。古墳時代になると用途機能に応じて多彩な発展を とげ、古代社会を支える大きな要素となりました。  岩手県内の古代鉄器は、弥生時代の資料は未だ発見されて いませんが、古墳時代の初めには使用されいてたと考えられ ています。奈良時代になると住居跡や墳墓群から鍬先・鎌・ 斧・刀子などの農耕具・蕨手刀・直刀・?などの武器の他に 馬具や釣針・鉗など各種の鉄器が出土するようになります。 また、平安時代に入ると鉄器はさらに一般化しました。