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祇園祭の夜                                   文と写真 by 星祭り

   京都の祇園祭(ぎおんまつり)山鉾巡行やまぼこじゅんこう)でよく知られています。
  ところが、本当は祭りはそれだけではないのです。

   この写真は、山鉾巡行が終わって随分経った7月23日の夜行われた宮入神事(みやいり)です。
  各町にあった御輿(みこし)が一斉に祇園八坂神社に帰ります。
  この御輿は錦町(にしきちょう 京都の高級食材を扱う錦市場がある町)のものです。

   京都で一番交通量の多い四条通り・東山通りを完全に歩行者天国にして行われました。スゴイ!!
  
四条大橋
深夜でもないのに京都
随一の繁華街が照明や ネオンサインを消して 御輿が通り過ぎるのを待ちます。
御輿に続いて馬に乗った神官が続きます。 これは他の祭りでは見られないことですね。 橋のたもとでは初老のストリートミュージシャンがジャズの演奏をやめませんでした。 八坂神社前東山通りと四条通の交差点。ここで御輿を練っています。
驚いたことに石段をあがって神社に入らず、 南側の知恩院円山公園側から入りました。 きっと、本当の入り口はそちらなのでしょう。
八坂神社境内(keidai)この中に御輿を奉納します。
これは若宮町の御輿です
境内でも練りを繰り返し
何度も差し上げて 差し上げて
最後に御輿に登って 屋根の上につけられた鳳凰の飾り物をはずします。 やっと、中に入りました。 錦町の御輿先ほどの錦町の御輿が
入ってきました。 観客の多くが地元の人で、 町が変わると観客も変わります。 京都らしい穏やかな、
はんなりとした
御輿巡航です。
酔っぱらいも、乱暴な言葉も、けんかもなく、とてもお上品な神事でした。 錦の奥様やお嬢様がたくさんお見えでした。 狭い境内は大変混雑し、私はこの屈強の二人にぶつかり、 そうになったとき、ふわっとした感じで体を支えてかわしてくれました。
すべての御輿が収まり、八坂神社をあとにしました。町の灯りはすっかり戻っていました。 きっと、昔は漆黒の闇の中で行われていたのでしょう。 祇園祭のルーツは何でしょう。

 山車(だし)と呼ばれる山鉾は日本中の祭りに登場する。このルーツはチベットにあり、広く東アジアで見られる祭りの出し物である。

 御輿は随分新しい祭りの形態です。
京都の祇園祭には様々な祭りの様式が混交しており、構造主義的な解析を試みると興味深いものがあるに違いありません。